5月24日開催の「チャレンジ磐梯吾妻スカイライン」のコースにひとめぼれ。初の東北遠征、しかもステキな山がすぐそこにあるとなれば行くっきゃないよね!
スカイラインゴール
<個人>2009年5月23日(金)~26日(火)
安達太良・吾妻・磐梯周遊 48期 寒川 陽子
5月24日開催の「チャレンジ磐梯吾妻スカイライン」のコースにひとめぼれ。初の東北遠征、しかもステキな山がすぐそこにあるとなれば行くっきゃないよね!
【参加者】単独
【天候】23日 暴風、霧、のち曇り
24日 曇り時々雨
25日 曇りのち晴れ
26日 晴れのち曇り
【行程】
5月22日(金)
20:30東梅田(高速バス・車中泊)
5月23日(土)
⇒7:15郡山駅=(JR)⇒8:00二本松駅8:45=(バス)⇒9:15JICANTCバス停
JICANTCバス停9:15→10:00あだたら高原スキー場35→11:25薬師岳→11:45表登山口分岐→12:10安達太良山12:30暴風につきバック→12:45峰の辻13:10くろがね小屋→13:15天狗岩→13:50八幡滝→14:20三階滝→14:50塩沢温泉→16:15土湯温泉・泊(21:00就寝)
5月24日(日)
チャレンジ磐梯吾妻スカイライン66km
4:00起床・5:00観山荘スタート→あづま総合体育館→高湯温泉→磐梯吾妻スカイライン→浄土平→吾妻小富士お鉢めぐり→浄土平→土湯峠→11:28サンスカイつちゆゴール
(6時間29分21秒で完走・総合6番目)
15:30懇親会(観山荘)16:30→17:25男沼→18:30吾妻高山登山口・泊・19:45就寝
5月25日(月)
7:20起床・8:20出発→9:40休憩55→12:40吾妻高山13:00→13:35烏子平バス停
烏子平バス停14:10=(周遊バス)⇒14:25浄土平バス停→14:35吾妻小富士15:05姥ヶ原→15:30浄土平・バス出発15:40⇒16:45福島駅51=(JR)⇒18:35猪苗代駅40=(バス)⇒19:10五色沼入口バス停→19:15ビジターセンター・20:30就寝
5月26日(火)
6:30起床・7:25出発→8:25裏磐梯高原駅→8:45裏磐梯スキー場→9:15銅沼30→10:45猪苗代登山口分岐→10:55八方台分岐→11:25磐梯山頂35→11:45噴気口分岐→12:25中ノ湯→12:40八方台駐車場13:00→13:45猫魔ヶ岳→14:00猫石→14:25厩岳山→14:35行基清水40→15:15登山道入口→15:35厩岳山登山口→15:40ゴールドライン出合→16:00おおるりの湯17:20→18:10磐梯町
磐梯町=(心優しき郵便のおじさん)⇒18:15磐梯町駅21=(JR)⇒19:19郡山駅20:35=(高速バス・車中泊)
5月27日(水)
⇒6:45東梅田着
【感想】
少々怪しげな空。郡山駅でバスの時刻を確認…あれ?全然時刻違うよ!HPの情報を信用し過ぎたようだ。1時間半も待てず、急遽あだたら高原スキー場からのアプローチを試みる。バスを降りた途端、猛烈な風。スキー場までの車道ですらあまりの強風に目が開けられず、足を踏み出しても前に進めない。どうやらゴンドラリフトは運行休止の様子。というのもこんな早朝にスキー場から下りてくる車があまりに多いからだ。
吹きっさらしの高原、あまりの暴風でまともに歩けないのでレストハウスに一時避難。登ったら危ないって、やめて下でホッコリしよ。でも。続々とレストハウスに入ってくる沢山の登山者、見ると皆登山準備をしている。何弱気になってんだ、暴風悪天破天荒なんてもう慣れっこでしょうが、いくぞっ!
樹林帯では風が凌げたがハイマツ帯になると暴風のガスを横殴りに受け足をすくわれないよう気を配りつつ前進。薬師岳周辺は幻想的でよかったのだが、高度が上がり雪渓が出てくるとガスも一層濃くなり全身ずぶ濡れで前が見えない。メインルートだから歩けたようなものだが、こんな天候でも次から次へと登山者が登ってくる。さすが、登山者。
鉄山へと北へ縦走を試みる。安達太良山頂から北方稜線はガレザレで形成されており下草すら殆どない。目の前はひたすら白く、目を細めるとかろうじて風の合間から進むべき道が見える。凝視すると白い世界にふらふらと吸い込まれていきそう。その気がなくても暴風に時折強烈な突風が襲いかかってきて足元が定まらず、一歩も動けなくなってしまった。すり足でもしようものなら体ごと一気に谷底まで持っていかれそうで。未練がましく道の先をしばしにらみつけ。突っ込んだら面白そうという気持ちと同居するもう一つの感覚。これを無視して痛い目見た過去もあったけど…ここを墓場にする気はないのでしぶしぶ撤退。くろがね小屋経由塩沢温泉に降り、そこから車道を進み土湯温泉を目指すことにした。
素朴な造りのくろがね小屋、温泉の匂いに心惹かれるが先を急ぐ。沢沿いだけにルートは腐れ雪だらけで足取りが重くなる。天狗岩、八幡滝といった要所に標識が設置されている。八幡滝にご満悦、すっかり機嫌を直して塩沢温泉をスルーして北へ。道の駅つちゆを最高点として道は下りに転じ、福島市街と吾妻連山を眺めつつ土湯温泉に到着。翌日も入浴するであろうサンスカイつちゆで疲れを癒した。公衆浴場なので入浴料は300円…安い。
選手総勢150人あまり。和気あいあいとスタート、かと思えば皆こぞってすっとばす。ええ!?皆さん速いってば…東北って山だらけだから健脚さんが多いのか?こちらは初参加、ペースに気をつけながら下る下る。下ったら今度はひたすら平坦なロード。小雨模様で走りやすいが、このペースで走り続けて登りは大丈夫だろうか。果樹園が広がり果物狩りがあちこちで体験できる通称「フルーツライン」。その辺りからいよいよ登りに差し掛かる。ペースを少し落とし走る走る。「高湯温泉あと5km」このくらいの勾配なら…よかったのだが、登るにつれ急坂が目の前に立ちふさがり気がめげそうになる。スカイラインに入り一層の傾斜がと気を引き締めなおしたが、九十九折のため思った程の勾配はなく、ヘアピンカーブ以外ほぼ走り通せてしまった。標高上がったせいでスカイラインは一面視界真っ白。シモフリ山あたりまで来ると視界遥か奥に吾妻小富士が高くそびえているのがわかる。立派だ。あそこに行けるのかと思うと嬉しくて足取りも軽くなる。ガスを抜けたのか浄土平周辺は視界良好で一切経山の荒々しい山容や硫黄臭を楽しみながら浄土平までの最後の登り坂。九十九折ながらしっかり傾斜があってこの登りが一番辛かった。エイドまで辿り着き食べ物をがっつきながらスタッフや選手の方と話していると緊張もほぐれ笑顔になる。あんまり余力残ってないけど笑うとちょっと前向きな気持ちになれて。気合入れなおして吾妻小富士のお鉢めぐりへ。
朝からの雨やガスが嘘みたいな晴天。空を見てるとこの好天は長続きしそうにない。お鉢めぐりを絶好のコンディションで回れることに感謝。神様もいつもイケズなわけじゃないのね♪ お楽しみだった吾妻小富士はあっさり終ってスカイラインを南下。しばらくはアップダウンが続く。ペース抑えめで走ってきたので登り返しも平気。足も快調、適度に飛ばして前行く選手を次々に抜きつつ道路脇の残雪の多さに驚く。30cmはあるだろうか。たかが2000m弱とはいえ近畿の山と同じ感覚で登れると思っていたのは大違い。翌日の吾妻縦走は厳しそうだ。長々と下り土湯峠にもう着くかと思えど先は遠く、次第に疲弊してきた。ガスの中に入ってしまってせっかくの吾妻八景も真っ白。ようやく土湯峠につくと、主催者である福島クレイジートライアスロンクラブの古川さんから大歓迎を受けつつ他の選手と和みつつ元気を吸収。マイナスイオンいっぱいの木道とやらに心躍らせながら出発。R115合流以降は昨日通った下り道。野地温泉を過ぎ右手に其輪山、安達太良山が迫ってくる。山腹を巻くように下って行くと、急峻で切り立った安達太良山が無言の威圧感を放っている。昨日見たなだらかな東面との山容の違いに驚く。成程安達太良山が日本百名山というのは頷ける。足は大丈夫だがいつもの如く息が上がってきた。足の筋肉に対して呼吸筋が弱いらしい。必死に下りサンスカイつちゆへとびこみゴール。あ~楽しかった!しばらくぼけーっとしていると、とある男性から「ヤマオンナ(ブログ中のユーザー名)さんですよね?実は最初から目付けてました」と声をかけられた。えええ!?東北まで逃げてきたのに。指名手配犯のごとく現逮、捕まってしまいました。トレイルレースだのウルトラマラソンだの延々と話は尽きず、こちらも興味深く東北の登山・レース事情を仕入れて。「えっ、ソレ聞いた事ないよ!」未訪の地に来た甲斐あったというものだ。懇親会にて翌日・翌々日の縦走予定を話すとこれがまた盛り上がってきりがない。
問題の吾妻。30cm近い積雪…でも行けるとこまでは行ってみよう。登山口目指し男沼へ行くと「林地崩壊のため通行禁止」の標識が。通るつもりだった沢沿いに崩壊地がかぶっている。仕方ないので迂回し吾妻高山経由で稜線を目指すことにし、登山口で泊。
高山を目指し鬱蒼とした樹林帯を進む。右から沢の音が聞こえ出した。どうやら問題の崩壊箇所は巻けたようだ。登るにつれて雪渓が多くなってくる。麦平から見た高山はすぐそこに思えた。ところが登り始めから雪だらけ。思いっきり残雪登山である。しかも腐り雪のトラバース道。テープを追うが藪も濃くすぐに見失った。藪漕ぎか、腐り雪か…ってどっちもいやだ~!際どい通過もあったため戻るのもためらわれる。行けども行けども雪と藪との戦いの繰り返し。ようやく反射板が見え無理矢理藪漕いで突破。すでに昼。三角点を見つけとりあえず雪山から逃げるように下山。ズボズボ雪を踏み抜きまくりつつ。木道を浄土平へ向かおうとするも雪が溶けて水びだしで踏みようがない。すっかり気が削がれ烏子平バス停からバスで福島駅まで出ることにした。東吾妻山の登山口は完全に沢と化していた。途中休憩で立ち寄った姥ヶ原は真っ白な雪原。東北の残雪事情を知らなかった私の計画の甘さを痛感した。目の前にして登れないのは悔しいが、綺麗に晴れた福島市街を拝めて少し心が満たされる。
吾妻を諦めて一路裏磐梯へ。磐梯でも雪は覚悟しているが吾妻同様標高1500m以下は雪はない筈だ。雪と格闘するのはコースタイムで1時間弱、なんとかなるだろう。
ビジターセンターで朝を迎えまずは五色沼をお散歩。だが昨日の雪藪が堪えて頭痛がするわ体は重いわ、息はすぐあがるわと疲労困憊。裏磐梯スキー場が登り口、平日に関わらず数パーティー登ってくる。ガレ場点線ルートの火口原へ向かうのは私だけのようだ。火口原へ来ると磐梯山・櫛ヶ峰が荒々しく目前にそそり立ち凄まじい威圧感を放っている。表とはあまりに違う様子に無言でしばし対面。この2座の間の細尾根のザレをよじ登る。あまりに急斜なので手すりがないとまともに立っていられない。手すりにつかまりながら足はザレと格闘、なんとか少しづつ登っていくとコルへ到着。木1つない激登だけに展望は最高。遮るものなし、吾妻から飯豊まで見渡せる。ここまで来ればあとは悠々散歩しているうちに磐梯山の肩へ。ひと登りで山頂到着、目の前一杯に広がる猪苗代湖が出迎えてくれた。すごい!何もかもが見える。そこには空の青、吾妻の残雪の白、緑、ガレの茶、エメラルドの銅沼、蒼く横たわる桧原湖。東北の自然の大きさに圧倒された。本来は表磐梯に下山するはずだったが、吾妻をカットしたことで時間が余っているので西へと縦走路を行く。未だ風情たっぷりの中ノ湯跡をすぎ八方台登山口へ。大きな沢がないせいか磐梯山ではあまり雪を見かけなかった。登山口からは西へと樹林帯をじわじわ登っていく。磐梯山へ登るマイカー客が多いのでこちらの稜線は静か。猫魔ヶ岳までは気持ち良い森林浴コース、山頂からは磐梯山、猪苗代湖、雄国沼が見渡せる素敵な山だ。高地に佇む雄国沼を見ながら下山にかかる。三十三観音の並ぶ下りを下りきると川沿い草生い茂る田舎道を磐梯山ゴールドライン側へ。
3km程車道を登り返して入浴、磐梯町駅へてくてく歩く。ゆとりあるはずだった時間、歩けど駅は見えて来ず焦りがつのり駆け足で駅へ。十字路にさしかかる。道を間違えられるような時間的猶予はない。さてどっちだ!?「どこ行くのん?」郵便局の赤い車が脇で止まった。ビバ、東北のおじちゃん!電車で郡山に出ることを伝えると「次●分だからもう時間ないよ!」と乗せてくれた。やっぱりヒッチハイクっていい。最近は止まってくれない冷たい車が増えたけど、なんだか温かくていいよね。郵政、いろいろ言われてるけど私はおっちゃんのこと応援してるかんね!
暴風雨で吹っ飛びかけ
スカイライン あと5km
昨日はここまで走ってきたんだっけ
裏磐梯と西吾妻と空と
山頂から猪苗代湖にダイブ!
磐梯山火口原を抜けて
雄国沼の向こうは飯豊山系